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2010.9.7発売 婦人公論 9月22日号に掲載された内容です。 |
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理想の最期を考える 「お金をかけないで人生を仕上げる裏ワザ10 」 |
葬式の平均費用である231万円、今、あなたは払えますか?いつかはやってくる、大切な人の死。悲しみに暮れ、さらに予想外の出費にも途方に暮れるという事態は避けたいところです。大金をかけずに満足できる別れの方法は意外とあります。安くすませる10の方法、ぜひご家族で読んでください。
1. もう、お墓はいらない 「散骨、樹木葬」はお手ごろ価格
「 いま一番多いのが、お墓の代わりに海や山へ散骨する『自然葬』に関する質問です」と話すのは日本初の葬儀相談員、リリーフ代表の市川愛さん。
費用は海に遺灰を撒く散骨(海洋葬)の場合、遺族が立ち会わずに業者に散骨してもらうと5万円前後。2〜3家族が船を相乗りして約15万円、1家族でチャーターすると約30万円が目安。
一方、大地に遺灰を返す樹木葬は地域や利便性による値段のばらつきが大きいが、15〜60万円の価格帯(年間管理費は別)が主流。1本の木に合同供養する方式で約20万円というものも。夫婦割引や、位牌・戒名がセットになっているプランなどもあり、業者もそれぞれ知恵を絞っている。
「ただ、海や山に毎回お参りするのは金銭的にも体力的にも大変です。すべて散骨してしまうと、なかには後悔する方も。できれば分骨して手元供養と両方を考えられるといいのでは」(市川さん)
2. 慌てず、疲れず、金かけず 「偲ぶ会」でおだやかな別れを
通常の通夜・告別式の代わりに、日を改めてホテルで20人程度の小規模な「偲ぶ会」を行う人も増えている。
「小さくても、故人を心から悼むあたたかい会にはちょうどいい。会費制にすれば出費をかなり抑えられるうえに、ホテルだけあってお部屋やサービスも豪華です」(市川さん)
東京のグランドプリンスホテル新高輪では部屋代に献花、お弁当(飲み物は別)がついて1人6,000円から用意。
また神戸ベイシェラトンホテル&タワーズでは別館にお焼香をできる会場も用意している。
3. 知らない人は損をする 「健康保険からの補助金」を申請する
故人が加入していた健康保険から葬儀・埋葬に対する補助金が受け取れるのをご存知だろうか。
国民健康保険、後期高齢者医療保険から出るのは埋葬費。自治体によっては金額は多少異なるが、被保険者が国保の場合で5万円前後、後期高齢者医療保険だと3万円前後が支給される。
一方、健康保険組合、全国健康保険協会(社会保険)に加入していた場合は、埋葬を行った家族については埋葬料が一律5万円、故人に家族がいない場合は、埋葬を行った人に5万円を上限として、埋葬にかかった実費が支払われる。
埋葬費用の領収書や死亡診断書、埋葬許可証など申請に必要なものがあるので問い合わせを。いずれも死亡翌日から2年以内に申請することをお忘れなく。
●葬祭費の窓口 市区町村の国民健康保険課
●埋葬料の窓口 全国健康保険協会か務めていた事業所の健康保険組合
4.これ以上安くはできません! 「直葬」に勝るものなし
超高齢化の進む都市部を中心に定着しつつある「直葬」(ちょくそう)。通夜・告別式をせず、病院や自宅から直接火葬場に運搬する。参列者は家族や親近者を中心に10人前後のケースが多い。
費用は棺桶代、火葬場の使用料、遺体の運搬、骨壷、人件費などで20〜25万円。ここに花束や遺影などオプションで付けていく。凝り過ぎると逆に高くつくので注意。
「大切なのは予算の上限を決めておくこと。また、直葬のみでは遺族が精神的な区切りをつけにくいこともあるので、家族でお別れをする場面を作るなどの工夫を」(市川さん)
5. 地域密着で格安に 「公営葬儀」で出費を抑える
簡素でいいからとにかく安価・安心に葬式をあげたい場合には、公営葬儀の利用がお得。一般の葬議場では式場利用料25万円、祭壇30万円で計55万円前後が相場のところ、公営設備なら式場費が5〜15万円、祭壇5〜10万円。自治体によっては35人規模で会場と祭壇を合わせて10万円以下というケースも。
すべてを自治体の専門職員が行う場合と、葬儀社と提携している場合とがあるが、いずれも低額に抑えられている。内容は地域によって違うので、詳しくは各自治体の福祉事業課や地域文化課に問い合わせを。
6. お参りは24時間365日 「手元供養」はお洒落でラクチン
いっそお墓を作らず、いつでも自宅で供養できるようにという発想から生まれたのが手元供養だ。
いつも身近で供養したいという遺族のニーズと、高価なお墓や移動時間のかかるお参りで遺族に負担をかけたくないと願う故人の希望にぴったりと重なり、ここ数年で需要を伸ばしてきた。
手元供養は自宅用ミニ骨壷や、遺骨を入れるペンダント、指輪、オブジェなどから、焼骨を加工しパウダーにしてプレートや人口宝石に形成するタイプまでさまざまなものがある。身につけたり、お洒落で洋間にもマッチするものなど、デザイン性も高い。
値段は指輪が2〜15万円、オブジェなら10〜30万円程度が相場。
手元に置かない分の遺骨は、各宗派の本山で合祀納骨供養を受けたり、自然葬、永代供養墓に納骨するなどの方法がある。
7. 高額なお布施は支払えない!! 「ボランティア葬儀」という最終手段
高齢者施設暮らしで身寄りがない。葬儀をする金銭的余裕がない。そんなとき無償で葬儀をしてくれるお寺が全国にいくつかある。
名古屋市の大雄山 性高院(しょうこういん)の43代目住職、廣中大雄さんは「金銭的に余裕のない方々をサポートする活動の一環として、ボランティア葬儀もしています。まずお電話で相談を」。
「釈迦牟尼ボランティア・ネット」では、約30人の僧侶が登録し、諸経費のみで関東近郊に出向してくれる。「宗教は元々困っている人を救うもの。葬儀法要が商品化する風潮へ一石を投じたい」と代表の影山教俊さん。
8. そのお花も、使えます 「供花」で安く、ゴージャスに
香典代わりに参列者から届けられる供花。これを花祭壇に組み込んでもらうと、式がぐっと経済的に抑えられる。
「たとえば1基1万5000円分の供花を10基、花祭壇に組み込んでもらえば、祭壇のお値段が15万円分節約できる。皆さんから助けてもらうという形ですね」(市川さん)
送り主は芳名板に記されて式場に出るので花を送った人も納得。ただし葬儀社によっては対応してくれないところもあるので、必ず事前に確認を。また供花の窓口を葬儀社に一本化するなど手筈に気をつけたい。
9. 社会貢献で一石二鳥 「献体」で0円も夢じゃない
社会貢献ができるだけでなく経済負担が小さいとあって、近年増加が著しいのが献体だ。献体は医科大学(大学医学部)や歯科大学(大学歯学部)、あるいは日本篤志献体協会などの団体で受け付けており、大学への搬送や火葬についての負担はすべて大学が持つうえに、故人は文部科学大臣表彰を受けることになる。
「お別れに関しては、普通に通夜・告別式をして、そのあと火葬場の代わりに、大学へ搬送することも可能です。また、遺髪や遺爪をお祀りすることもできます」(市川さん)
ただし登録にあたっては、本人だけでなく肉親の同意も必要だ。遺骨が帰ってくるまでは、1〜2年、長い場合だと3〜5年もかかる。ただ「倹約したい」という安易な気持ちで献体すると、残された遺族は不安定な気持ちで長い年月を待たなければならなくなる。「医学の発展のため」という本人の確固とした信念と、周囲の理解が不可欠だ。
10. お参りついでにチャッカリと 「生前戒名」なら破格値に
戒名は死後の名前ではなく「戒律を守り仏弟子になる」ということ。だから生前に戒名を授かることもできる。授与式にかかる費用は3〜5万円ほど。一般に数十万円ともいわれる戒名が、生前だと10分の1以下で済んでしまうからオドロキ。
ただし悪質な業者がらみのトラブルも多いので注意。たとえば戒名を付けたお寺とお墓の宗派が違うと、お墓に入れてもらえないケースなども出てくる。
「単にコストダウンのため、という軽い気持ちではなく、お世話になっているお寺とのお付き合いの延長線上でならお薦め」(市川さん)