「終活」の名付け親、日本初の葬儀相談員が教える“お葬式本"の決定版!
このところ「お葬式はしなくていい」という人が増えており、葬儀のシンプル化が進んでいます。
特に都市部では、家族葬が主流と言っていいほど人気を集めています。
しかし、規模の大小に関わらず、故人を感謝の気持ちで悔いなく見送ることは、いつの時代でも大切なことです。
自然葬をはじめ、めまぐるしく変化するお葬式事情ですが、どうすれば希望する予算内で、満足できる、納得できるお葬式をあげられるのか。
葬儀社選びをはじめ、心得ておくべきポイントは?
「あなたにとって最善と言えるお見送りをしてほしい」。
これが本書のテーマです。
相談数5千件超、日本初の葬式相談員が教えるお葬式のポイントは、
1規模、2形式、3場所、4こだわり、5葬儀社選び この5つ。
費用の中身をきちんと知るだけで、100万円節約することも可能です。
目次
はじめに
第1章 誰もが勘違いしている葬儀費用のかかり方
第2章 お葬式にあたっての心構え
第3章 事前準備のための5つの心得
第4章 実際に亡くなったら、こんな流れになる
第5章 お墓の種類と値段、広がる永代供養
おわりに
はじめにより抜粋
お葬式には、人生を終えた人を見送るという、大切な意味があります。
故人を弔うことを通して、残される家族や友人は、大切な人を喪ったことに心の区切りをつけるのです。
お葬式とは、故人を失った悲しみがピークを迎える儀式ですが、逆に考えると、一旦ピークを迎えるからこそ、悲しみを癒やしていくための第一歩にもなると、私は思うのです。
だからこそ、これまで多くの方が、お葬式を営んできたのでしょう。
しかし、今、「お葬式はしなくて良い」とおっしゃる方が増えており、お葬式のシンプル化が進んでいます。
2014年に入り、「0葬(ぜろそう)」なるものも提案され始めました。
0葬とは、火葬のみにとどまらず、遺骨を全て火葬場に置いたまま、引き取らずに帰る方法なのだそうです。ついに、供養や弔いの全てを省略してしまったことになります。これ以上省略するものはないでしょうから、お葬式のシンプル化も行き着くところまで行ったと言えます。
もしあなたが、このように何も残さない見送りを選びたいのならば、本書はあまりお役に立てないでしょう。
これからお伝えしたいのは、故人に感謝の気持を持ち、悔いなく見送るための様々な方法なのです。
お葬式、お墓、供養、これらをする意味がわからない。お金をかける価値を感じない。だから全て省略してしまおうという理屈と、それを推し進める風潮に、私は危機感を抱いています。
もちろん、中には本当に不要なこともあるでしょう。しかし、気付かないうちに、大切な繋がりまでも省略してしまうのは、もったいないことだと思うのです。
日本人はこれまで、ご先祖様を敬って生きてきました。
日々の生活や、四季の行事や祭り事を通して、ご先祖様のおかげで自分が今あるという、ありがたさを感じて過ごしてきたのです。それは、この国に一本のまっすぐな背骨を通し、豊かな情緒としなやかな精神をもたらしました。
ところが、せっかく受け継いできた繋がりを断ち切ってしまうようなお葬式のあり方では、そんな日本人としてのアイデンティティすら、徐々に失われていってしまうのではないかと思うのです。
めまぐるしく変化するお葬式事情ですが、これから先、どれだけ目新しい葬儀スタイルが出てこようと、どれだけあなたの環境が変わろうと、満足して見送るための知識と考え方を持っておくことができたなら、迷い悩む心配はありません。
どのような状況でも、あなたにとって最善と言えるお葬式を選んでほしい。これが本書のテーマです。