
CASE-3 積み立ての7倍以上の請求をした互助会
Kさんは互助会の外交員のパートをしていた近所の奥さんから、何度も入会を頼まれていました。「助けると思って、お願い!」なんて言われると、どうしても断りづらく、近所付き合いも考えて、入会することにしたのです。
いろいろなコースがある中で「これで全部まかなえちゃうのよ!」と勧められ、下から2番目のコースに申し込みました。80万円相当の祭壇が30万円積み立てるだけで使用できるほかに、それだけで全部まかなえるなんて、かなりお得だと思ったそうです。
数年積み立てたところで満期になり、Kさんは「これで万が一の時にも安心」と思っていました。
それから十数年経ち、お母様が亡くなったときのことです。
入会していた互助会と、葬儀の打ち合わせをすることになりましたが、担当の社員さんの説明がどうにもおかしいのだそうです。
お料理、返礼品、式場の使用料、火葬料、他にもいろいろな項目がどんどん追加になって、積み立て金額の上に加算されていくのです。
結局は満期で全てまかなえるどころか、ほとんどが追加オプションで依頼しなければならなかったのです。
その上、積み立てていたコースでは「密葬用」になるからという事で、差額を払い、もう一つ上のコースに申し込む事になりました。
「なんだか話が違う」とは思ったKさんですが、「もう来てもらっているし、これから他の葬儀社にするなんて、とてもじゃないけど悪いのでは・・・」と思い、結局全部お願いすることにしました。
対応はまあまあで、会館もきれいだったのでその点は良かったそうなのですが、会員サービスしてもらっても、積み立てていた金額の他に、なんと190万円もかかってしまったのです。
当初、積み立てた30万円で全部まかなえるという話が、全部入れたら220万円です。
これはひどいと思いましたが、入会したのは10年以上前の話しですから、いまさら勧誘された奥さんには文句も言えないうえ、もう外交員の仕事は辞められたらしいので、諦める事になってしまいましたが、今でも納得できていないそうです。
トラブルの原因
あなたは「互助会」がどういうシステムかご存知ですか?
簡単に言うと、
「積立をして満期になると、そのお金で祭壇一式の権利が受けられる」というサービスです。この権利は役務(エキム)といいます。
会員特典も多く、祭壇費用が大幅に安くなったりします。会員は、1口3千円くらいの金額を、5年などの長期間積み立て、万が一の時のために備えることができます。一方互助会は、会員が積み立てたお金で新たに式場を建てたり、新しい祭壇を購入したりと、サービスの向上に勤めるのです。
こう聞くと、お得に感じませんか?
でも、このトラブルの原因こそが、この「お得感」なんです。お得な話だけに乗せられ、本質が見えていなかったのです。
冷静に考えてみて下さい。30万円でお葬式が全部まかなえるわけがないのです。
外交員のオーバートークに乗せられすっかり安心してしまい、深く考えなかったせいで、
何も準備せずにお葬式を迎えてしまい、結局、高額の費用がかかってしまいました。
互助会の場合、本社の人間が営業活動をするというよりも、代理店がパートを雇って営業させているケースが多く見られます。中にはベテランで知識も豊富な外交員もいますが、パートタイマーの多くは、お葬式の知識がほとんどなく、葬儀費用のかかり方もよくわからない、現場も未経験の人ばかりです。
簡単に言えば、外交員たちは「何を売っているのか理解せずに」営業しているのです。
商品知識よりも、成績を上げ、ノルマ達成を目指すばかりに、「嘘のオーバートーク」で入会させてしまうケースが多く、全国の消費者センターにも苦情が寄せられています。
また、実際に積み立てを使うのは10年以上先だということも多く、なかなか表に出づらいというのも原因のひとつです。
トラブル防止策
互助会に入っている方は、すぐに本社へ問い合わせて、
・加入しているコース
・加入口数
・満期になっている金額
を伝えた上で、お葬式をする事になったら、積み立てている中で何ができるのか、実費を含めた全額でいくらかかるのかを確認しておきましょう。
他の葬儀社と比べてあまりにも高額な場合は、手数料がかかりますが解約も可能です。
この場合は解約を渋ったり、引き伸ばしたりするケースも多く、長期戦の覚悟も必要です。(これは次のケースで詳しくお話しましょう)葬儀社によっては、手数料分を負担してくれたり、解約の手伝いをしてもらえる事もありますから、事前のリサーチで信頼できる葬儀社を見つけたら、互助会の件も相談してみると良いでしょう 。
また、互助会には「全日本冠婚葬祭互助協会」という団体があって、冠婚葬祭ホットラインを設けていますので、分からないことがあれば質問に答えてもらえます。
・ 冠婚葬祭ホットライン http://www.zengokyo.or.jp/
・ (社)全日本冠婚葬祭互助協会消費者相談センター 0120-034-820
解説
互助会とはいえ、葬儀社である事には変わりありません。
一般葬儀社と同様、葬儀費用のかかり方がそのまま当てはまります。
※ 葬儀費用のかかり方

そもそも、互助会で積み立てていた金額というのは、上記の「葬儀費用」の部分にしか使えません。
主に、「祭壇一式」の部分だけなのです。
入会時にいくら「これで全てがまかなえる」と言われていたとしても、残念ながらそれは嘘。
30万円の掛け金では、祭壇を飾って人を招くお葬式はできません。
飲食や返礼品やその他「実費費用」が必ず必要です。
通夜振る舞いや会葬御礼、式場の利用料、火葬料など、別途費用が加算されるのです。
互助会は、葬儀の総額を比べてみると決して安くありません。
「積立制度を持った葬儀社」と捉えておき、「選択肢のうちの一つ」という程度に考えておいてください。
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