お葬式コラム

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トラブルの実例

 

CASE-5 広告金額の嘘


Kさんのお父様は入院生活も長く、かなりの医療費がかかっていたため、葬儀はなるべく費用を抑えようと思っていたところ、ある日折り込みチラシで“葬儀一式35万円!”と書いてあるのを見つけました。

それは安い!と、葬儀社に電話をかけて聞いてみたところ、葬儀社からは「ええ、うちは最低限それでやっていますよ」という答えでしたので、Kさんは、35万円だったら。と安心し、後日お父様が他界した際、その広告のセットでお願いすることにしました。

密葬だったため、規模は小さなものでしたが、初めて葬儀を経験するKさんは、慣れないながらも忙しく喪主を務め、3日間がバタバタと過ぎていきました。


葬儀が終わってホッとひと安心したのもつかの間、葬儀社が持ってきた請求書の額を見ると、なんと130万円を超えていたのです。

びっくりして「35万円のはずだったのでは・・・」と問いただすと、葬儀社からの答えは、「葬儀一式というのは、葬儀本体だけの事で、他の費用がかかるのは当然です。ウチはそれでも安いほうですよ」と、開き直ったものだったのです。

ここで揉めてしまうと亡くなったお父様にも悪いような気がして、言われるままの金額を支払いましたが、なんだか騙されたような後味の悪い気分が残ってしまいました。


 

トラブルの原因

Kさんは、事前に葬儀社へ問合せをし、金額の確認をし、広告に書いてあるとおり「葬儀一式35万円」でやっているとの回答をもらっています。 
にもかかわらず、なぜ3倍もの金額を請求される事になったのでしょうか?

この事例のポイントは、「葬儀一式」という言葉です。

Kさんと葬儀社とでは「葬儀一式」についての認識がずれていたのです。
   


「葬儀一式」という言葉は、Kさんにとっては「葬儀に必要な全て」、葬儀社にとっては「自社で提供する部分だけ」という大きなギャップが、この事例の原因です。  

 

当然、説明責任は葬儀社にあるのですが、このようなトラップ広告が横行している今、消費者側もこのギャップの存在を知り、自己防衛する必要があるのです。

 


トラブル防止策

Kさんは、事前に葬儀社へ問い合わせをしていました。ここまではとても賢明な選択なのです。
しかし、肝心の一言が抜けてしまっていました。


問い合わせる時には「実費など必要な全てが含まれている内容で見積もって下さい」とお願いしましょう。

葬儀社の広告で「葬儀一式○○万円!!」と書いてあっても、それで全てが収まる事は、まずありえません。

CASE-3葬儀費用のかかり方で解説しているように、

葬儀費用は、「葬儀費用」+「実費費用」+「お布施」=「総葬儀費用」 で構成されています。

この事例は、これさえ理解できていれば避けられるものです。
この知識は、トラブルを避ける強い武器になりますよ。



解説

あなたは「葬儀一式」と言われたら、どのように感じますか? きっと「葬儀に必要な全て」ととらえる方が多いのではないでしょうか?   

しかし、葬儀社にとっては違うのです。   
葬儀社にとっての「葬儀一式」とは、祭壇・棺・人件費を中心とした「自社で提供する部分だけ」を指しているのです。

祭壇・お棺・人件費、お葬式はこれだけでは出来ません。   

足りないものは、飲食や返礼品など、葬儀社が業者を手配して用意する項目である「実費費用」です。

この「葬儀一式35
万円」の中には、式場使用料・火葬料・車両関係・飲食接待費・返礼品など、「葬儀社が手配をして用意するもの」が入っていなかったのです。   


セットの金額35万円に、「実費費用」分が上乗せされて請求が来たために、Kさんは騙された気持ちになってしまったのです。
そしてKさんは、なぜそんな金額になったかも分からないままだったそうです。

「その規模で、総額130万円だったのなら、確かに安いほうなんですよ」と、お伝えしたところ、とてもビックリしていらっしゃいました。

 

多くの葬儀社は、「騙そう」と思ってそんな広告を出す訳ではありません。「葬儀一式=祭壇・棺・人件費」というのが、「葬儀業界の常識」になってしまっているために、このギャップにすら気付かない葬儀社も多くいます。そして、常識だから説明すらしないのです。

(このコラムを発表した直後、「自分は葬儀社だが、おかしいとは思わない」という抗議のメールが送られてきました…)


一方の消費者は、そんな常識なんて知らないのが当り前ですから、うっかり引っかかってしまうのです。
その上、Kさんのように「うるさく文句を言ったら故人に申し訳ない」とか「安心して成仏してもらえない」という想いから、大きな問題にならず、明るみに出てこないのです。


「葬儀一式」という言葉に対するギャップがあり、そのギャップをたくみに使った広告があふれているのはまぎれもない事実です。   
小さな文字で「実費は別途かかります」と書いてあっても、ほとんどのお客様は見落としてしまいます。仮に見落とさなかったとしても、3倍もの金額を請求されるとは思わないでしょう。

 

実費の存在を知る。そして、実費を含めた見積をとったうえで、納得して依頼する。これに尽きるのです。


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