
お葬式の事前準備
お葬式を前もって準備しておくなんて、気持ちが引けてしまいますか?
それも確かにあるとは思います。
もちろん、何の準備もしておかなったとしても、お葬式をすることはできます。
でも、
それは行き当たりばったりのギャンブルみたいなもので、私からは決しておすすめできません。
例えばマンション購入にたとえると、初めて入った不動産屋でろくに考えもせずに、もういきなり契約してしまうようなものなんです。
あなたがもしマンションを購入するのであれば、予算、希望の広さ、立地、日当たり、水周りなど、ちゃんと自分の希望を考えて、複数の候補をたてて検討しますよね?
そう。それがマンション選びを成功させる最低限のことですものね。
お葬式も同じなんですよ。
事前に自分の要望を考えておき、それに合った葬儀社を選ぶのが、お葬式で失敗しない唯一の方法なんです。
事前準備のメリット
事前準備をすることで、ゆっくり時間をとって検討できますから、自分の要望がしっかり把握できます。
実際のお葬式の現場は、時間的にも精神的にも、余裕がない状況です。そんな中で経験のないお葬式のことを一から決め、完璧に行うのは、しょせん無理があるのです。
葬儀社に勧められるまま、100人・200人規模のお葬式を依頼して、結局50人しか来なかったなんていう例も少なくないんです。
これって、ざっと100万円は損してますよ。
事前準備さえしておけば、葬儀社の言いなりになって葬儀費用がムダにかかりすぎることがありません。
事前準備で考えられるメリットを列挙してみました。
● 自分の要望をしっかり把握できる。
● 希望に合ったお葬式ができる。
● ゆっくり考え、交渉ができる。
● いざという時に落ち着いて行動できる。
● 費用のかかりすぎが防げる。
● 事前に概算の費用を把握できる。
● 葬儀社の言うことを理解しながら、自分のペースで進められる。
● 細かい打ち合わせに忙殺されずに、ゆっくりお別れができる。
● 葬儀社選びに時間をかけられる。
● 悪い葬儀社のあぶり出しができる。
● 担当者の人選を失敗しない。
● 事前の打ち合わせをしっかりすると、葬儀社に気合が入る。
などなど、事前準備をしておくメリットは、こんなにたくさんあるのです。
前置きが長くなりましたが、じゃあ具体的に何をどう準備しておけばいいのかをご紹介しますね。
要望をまとめる
まずは、あなたがどんなお葬式にしたいのかを考えて、要望をまとめておきます。
要望まとめるとは、
● 規模・・・お葬式の大きさ[規模]参照
● 形式・・・お葬式の宗教[形式]参照
● 場所・・・お葬式を上げる場所[場所]参照
● 内容・・・予算・こだわりたいこと・細かいディテールなどの希望
この4種類を考えておくことです。
考えておくだけではなく、必ず紙に書いておくようにしましょう。
覚えているつもりでも、緊張などが原因で、うっかり言い忘れてしまうこともあります。
葬儀社に問い合わせるとき、実際に打ち合わせをするときなどは、自分で書いた要望を見ながら進めると、失敗がありません。
葬儀社から見積りをとる
要望がまとまったら、次はいよいよ葬儀社に問い合わせをして、
見積りをとってみましょう。
事前準備のメリットにも挙げましたが、葬儀社から見積りをとるだけで、本当にたくさんのことが見えてきます。
中でも大きなメリットは「事前に概算の費用を把握できる」ことと「悪い葬儀社のあぶり出し効果」です。
また、見積りをとったからといって、「葬儀を依頼する」ということではありません。
あくまでも「検討材料をもらう」という気持ちでお願いしましょう。
まずは葬儀社を2・3社ピックアップして電話をかけ、先にまとめてある要望を伝えて見積もりを送ってもらいます。
ここで「事前の相談なんだ」ということを忘れずに伝えましょう。
もし、事前の相談だということで見積もりを嫌がられたり、葬儀の規模が小さいことで「がっかり」するような気配がしたら、残念ながらアウトです。
その葬儀社さんからは見積りをとる必要はありません。
「本番で当たらなくて良かったー!」と思って、次にいきましょう。
忘れちゃいけないのが、見積もりを依頼したときの対応です。
あなたの主観でいいので、
● 親切だったのか・そうではなかったか。
● ていねいだったのか・雑だったのか。
● 分かりやすい説明だったか・よく分からなかったか。
など、通信簿をつける気持ちでチェックしましょう。
最近はインターネットでも見積もり依頼ができますが、メールのやり取りだけでは見えないところもたくさんあります。できれば一社に一度は電話をかけて、電話口から分かる雰囲気をチェックして下さいね。
電話で話しやすい人は、実際に会っても話しやすいことが多く、わりと高確率で実際の印象とズバリ一致します。
あ、くれぐれもただの事務員さんで判断しないで下さいね。ちゃんとお葬式の話ができる担当さんと話してこその対応チェックですから。
見積もりを取ったら、それを判断基準にもう一度内容を見直してみましょう。
● 予算がオーバーしていないか
● 削るとすればどこを削るのか
● 人数はこれくらいで大丈夫か
● 葬儀費用と実費費用の内訳はどうなっているのか
といった項目を見直して、あなたの要望による「お葬式の概算」を把握します。
それを葬儀社ごとの見積もりで行ない、葬儀社の比較検討をしましょう。
葬儀社の選定をする
最後に葬儀社を選定します。
取った見積りの内容・担当者の対応・あなたの要望を見直しながら、一社に絞っていきます。できれば、実際に葬儀社へ出向いて、担当者に見積もりの説明を受けてみるのが一番いい方法です。
葬儀社には、パンフレットやホームページに載っていない資料もたくさんありますし、何より実際に会ってお話しておけば、万が一の時の安心感が違います。
担当者と話して、あなたと相性が良いようでしたらいざという時に電話すれば良いだけです。前金を払う必要も、契約書を交わす必要もありません。
お葬式の内容だけに気を取られるのではなく、担当者の人柄や雰囲気にも注意してみましょう。「相談のときの担当者の対応」が、そのまま「本番(お葬式)のときの対応」です。最低3日間はお世話にならなければいけないんですから、ここの選択だけは間違えないように注意しましょう。
もしも、ここで選定した葬儀社が好きになれないようでしたら、もう一度はじめから手順を繰り返してみて下さい。きっと初めよりもスムーズに選定できるようになっているでしょうし、あなたの目も肥えていると思います。あきらめずに数社問い合わせていれば、きっとあなたに合った良心的な葬儀社に出会えます。
良心的な葬儀社さんを判断する材料は、人のうわさでもありませんし、マスコミに出ているからでも、大きな式場を持っているからでもありません。
判断するのは、あなたの目であり、感じた印象であり、あなた自身です。
葬儀社の担当者が、あなたが伝えたい内容にしっかり耳を傾け、真剣に対応しようとしてくれているのかを、あなたのほうでも真剣に判断してください。
それが、葬儀社の選択ミスを防ぐ一番効果的な方法なのです。
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