
実費費用の変動費と固定費
前回は、「実費費用って、何?」ということで、葬儀費用の大きな割合を占めている実費費用の存在を知っていただきました。
今回は、実費費用における「変動費」と「固定費」って、どんなものなのか、またどんな項目で分かれているのかを、お話していきましょう。
■実費費用の「変動費」
まず、「変動費」とはどういうものかというと、
「数量によって、金額が変わる項目」のことです。
具体的には、
◆会葬者への「返礼品」
◆通夜振る舞いや精進落としなどの「飲食費」
◆寝台車や霊柩車などの「車両関係」
が代表的な項目です。
返礼品は、参列者の人数がそのまま個数になります。
飲食費は、予想人数の50〜70%くらいの数を用意します(ガッツリ食べて帰るっていう方はあまりいませんから)。
なお、参列者が通夜振る舞いを食べない地域も数多くありますので、その場合には親族の人数分を用意します。
寝台車や霊柩車は、基本料金プラス移動距離で金額が決まります。 タクシーのようなイメージでOKです。
この変動費の特徴として、「数量とランクで金額が決まる」ということが挙げられます。
返礼品は、会葬者の人数とお返しする品物の内容。
飲食費は、会葬者の人数とお料理のランク。
車両費は、移動距離と選ぶ車両のランク。(霊柩車ならクラウンかキャディラックかなど)
を、あなたが選ぶ事になります。
■実費費用の「固定費」
次に「固定費」ですが、これは、 「実費費用の中で、数量に左右されない項目」です。
◆通夜・告別式を行う式場使用料(貸し式場利用の場合)
◆火葬を行うための火葬料
◆ご遺体を葬儀の日まで安置するための安置保管料(自宅以外の場合)
が代表的な項目です。
この中で、一番大きな割合を占めているのが、式場使用料です。

■閑話休題:式場使用料
ここで、ちょっと「葬儀式場」の話をしておきましょう。
ここ数年、都市部を中心に、自宅でお葬式をする方が極端に減り、式場を使うケースの方が多くなってきています。
この「式場」には、運営母体ごとの種類に分けられます。
大きく分ければ2種類。
「公営式場」と「民営式場」です。
「公営式場」は、税金で運営されている事から、管轄地域の住民の場合、使用料負担が民営の式場に比べてかなり軽減されます。
ただ、その分かなり混んでいますので、3〜5日待つことが普通。すぐに使えるということはまず考えられません。
ですので、日程よりも費用を優先したい場合におすすめです。
公営式場が無い地域もありますので、あなたが住んでいる地域の役所に問合せてみてください。
「民営式場」は、全国津々浦々、どの地域にもあり、設備が整っているうえに交通の便も良く、そして公営に比べて空いている事も多いので、良いことづくめですが、費用面では公営の5〜10倍はかかってしまいます。
よく、式場=葬儀社だと思っている方がいますが、必ずしもそうではありません。
式場とは「場所を貸しているだけ」の場合も多いのです。
貸し式場としては、専門業者が運営している場合と寺院が運営している場合などがあるのですが、費用面から見れば、どちらも「民営式場」と考えていいと思います。
比較的空いていますので、費用よりも日程を優先したいケースに向いています。
もう一つ、忘れちゃいけないのが「葬儀社の自社式場」の存在です。
葬儀社さんが自社で持っている式場で、一般的にはその葬儀社しか使えない専用式場です。
自社式場だけあって、他の貸し式場に比べて、宿泊などの融通が効いたり、当然担当者が使い慣れていますから、進行がスムーズだというメリットがあります。
そうそう。この場合に限り「式場 = 葬儀社」 という事になりますね。
葬儀社式場で注意してほしいのは、「式場使用料無料!」とうたっていることが多くあるのですが、
・・・じゃあ式場の維持費は?
・・・光熱費は?
って考えてみて下さい。祭壇一式の中に隠れているだけかもしれません。
その辺は、トータルの金額で見積りを出してもらって、他の葬儀社さんの見積り金額と見比べてみると、あっさり判断できます。
式場使用料無料のわりには、合計金額が変わらなかったりして・・・。
式場持ちの葬儀社さんの特徴としては、自社式場を極力使いたがるという傾向があります。
なぜかというと、「せっかく建てた式場を使わなければもったいない」ということだけではなく、参列者への宣伝にもなりますし、なんてったって自社ですから、仕事がやりやすいんです。
あなたが知人の葬儀に参列した際などに、「この式場を使いたい」と思ったなど、あなたの要望と合っていれば、ぜひ候補の1つに考えておけば良いと思いますが、一部の葬儀社さんは、公営式場の情報をあえて教えてくれなかったり、「自社式場利用ありき」で打合せを進めたりしますので、その辺は、あなた自身がしっかりと情報収集し、主導権を持つようにしてくださいね。
■固定費の話 つづき 火葬料と安置保管料について
固定費の話に戻りますが、火葬料は、公営の火葬場が充実している地域と、東京のように、公営があっても数が足りず、結局は民営が主流なんていう場合とでは、明らかに前者の方がお得です。
公営の火葬場は、火葬費用が無料ということも少なくなく、たとえ有料であっても数千円です。
逆に民営の火葬場は、東京の場合で基本5万円から、最高級の部屋を利用するとなんと17万円、心付け出して当り前、その上、骨壷まで火葬場のものを買わなければなりません。
以前、私のご相談者の火葬に同行した際のこと。
その待合室は座敷と椅子席の混合で、半分の方は座敷に座るスタイルでした。
その時はひざの悪い方が多くいらして、椅子が一脚足りなかったのですが、係員にお願いしても一つも出してもらえませんでした。(あなたの後ろに空いている椅子を、ちょっとの間貸してくれればいいのに・・・)って思いました。
まあ、施設もきれいで、使い勝手もいいのですが、サービスレベルはその程度です。
そんなの行政で公営火葬場を作ってくれていればいいだけの話。
土地の問題などでなかなか難しく、話も進まず、他に無いから仕方なく使っているのが、民営の火葬場なんだと私は思っています。
今回はよく話がそれてしまいますね。。。
話を戻しましょう。
最後の項目、「自宅以外の安置保管料」とは、集合住宅などの住宅事情で、ご遺体が自宅に帰れない場合に、別の場所で預かってもらう事を指します。
金額は、お葬式までの宿泊日数で決まります。これも、公営と民営では費用が違います。(公営は3000円くらい、民営は7000円くらいから)
このように、「固定費」に付いてまわるのが、「公営」と「民営」なのです。
公営の使用料と、民営の使用料、この両方を把握しておくのがベストな方法といえますね。
「変動費」と「固定費」の違い、わかっていただけましたか?
「変動費」は「数量とランク」 「固定費」は「使用料」
こういう事なんです。「ソフト」と「ハード」の関係とも言えますね。
そして、どちらも最終的な支払い先(あなたへの請求元)が葬儀社ではないため「定価」が必ずあります。
それって、どういう意味があるかというと、
「実費費用とは、あなたが選んだ内容で金額が決まる」
ということなんです。
これって、逆を言えば、「トータルの費用をコントロールできる」っていう事。
返礼品や飲食費を考えて、会葬者を少なくしたいのであれば、お知らせする人数をあらかじめ絞っておけばいいですし、公営式場の有無や使用料をあらかじめ調べておいて、葬儀社さんに「市営の○○式場を使いたいんですが」って言う事もアリです。
実費費用って、せっかく主導権を握りやすい部分なんですから、葬儀社にお任せしっぱなしで費用がかさむのなんて、えらいもったいないと思いませんか?
変動費は人数。固定費は運営母体。
ここをよく意識して、賢く節約しましょう。
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